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張り込みの難しさ

探偵が実施する調査の中でなんと言っても花形は素行調査の中で尾行といえるでしょう。
探偵の殆どは尾行をしている時間が好きだという人は多いと聞きます。
尾行中の対象者との駆け引き、気付かれないように、しかも見逃さない様に尾行していく臨場感の高揚は探偵という職業でなければなかなか経験は出来ないでしょう。

しかし、素行調査では大半の時間が張り込みの時間となります。
この張り込みが探偵にとって苦痛の時間かもしれません。
いや、そう思っている探偵は数多くいると思います。

まず調査開始時における尾行対象者の特定です。
自宅にしろ勤務先にしろ、御依頼者指定場所にしろ、調査開始時刻より張り込み、対象者が出てくるのを待ち続けます。
開始場所が自宅で依頼人が配偶者であり、外出した際にすぐに教えて貰えればこれほど助かることはありません。
しかし、いつもいつもそんな情報は得られません。
殆どが出てくるのを出入口が見える位置でずっと張り込み待ち続けるしかないのです。
勤務先などでは殆どそういったケースとなります。
退社後の行動をマークする際には退社定時より張り込み、対象者が残業すれば同じように何時間でも張り込み続けます。

例えば17時半が定時の会社の男性社員の浮気調査の依頼。
17時半から張り込み、2時間後の19時半に出てきたのでやっと好きな尾行を開始。
すると30分後の20時にはある繁華街の洒落た飲食店に入りました。
またその店の前で張り込みを開始します。
2時間後に浮気相手と思われる女性と一緒に出てきました。
店内で合流していたのです。
また尾行を開始すると10分後の22時10分には近くのラブホテルに2人で入りました。
またまたそのラブホテルの前で張り込みを開始です。
なんと4時間後の深夜2時過ぎに2人は出てきました。
2人はタクシーに乗り、約15分後、女性の家のそばで女性を降ろし男性は自宅へ向かったのです。
浮気相手女性の家を特定しその日の調査は終わりました。
17時半から深夜2時半までの9時間の調査となりましたが尾行していた時間は全てを合計してもなんと1時間弱、後の8時間はずっと張り込みだったのです。
素行調査ではこんな事はざらなのです。
いかに根気よく見落とさずに張り込みを続けられるかが張り込みの基本なのです。
そして飲食店やラブホテルの出入りから2人で歩いている様子なども写真に収めていきます。
これが浮気の証拠として重要なのです。

張り込みについては調査対象者ばかりではなく、張り込んだ先の周辺にも気配りが必要です。
住宅街などでは対象者に怪しまれなくても、張り込んだ近くの家からは怪しい人物そのものです。
ずっと近くに立ち続けていれば警察に通報される事もあります。
警察に通報され警察官に職質されても探偵として届出をしているので問題はありませんがそれでも説明などで時間を取られてしまいます。
警察官も探偵業務という事も理解はしてくれますが通報が入っているので「この場所からは移動してくれ」とも言われてしまいます。
張り込める場所が限られた場所ですと致命的なことにもなりかねません。
勤務先の張り込みでも同様です。
勤務先の規模によっても異なりますが近隣オフィスばかりではなく、出入りしている同僚にも気を遣わなければなりません。
対象者の出入りが多い場合、その都度尾行していると同僚などにも気付かれる恐れがあります。
当然、ラブホテル周辺での張り込みにも十分な注意が必要です。
なにしろ2人が出てくる写真が重要となってくるのです。

いかに対象者ばかりか周辺から目立たず、長時間張り込みが可能な場所であるかを的確に判断できるのはやはり長年の経験以外にありません。

確かに尾行にも難しい点はいろいろとありますがただ対象者を待っている張り込みにもいろいろな難点が存在します。

この長時間に及ぶ張り込みの辛さに耐えられず、辞めていく新人探偵は少なくないみたいです。
長時間に及ぶ張り込みを何度も経験してこそ本物の探偵になれるといっても過言ではありません。

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