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昭和の探偵ドラマ

現在、テレビ局では探偵が主人公になっているドラマが頻繁に制作されており、アイドルや若手女優などが主人公を演じて好評を博している。

ところで探偵ドラマの歴史を考察してみると昭和の時代にはおもしろい傾向が見て取れます。

年代ごとに考察してみましょう。

昭和30年代

昭和30年代の探偵ドラマとしてはなんといっても「少年探偵団」「月光仮面」「七色仮面」「まぼろし探偵」「アラーの使者」が代表される番組でしょう。

リアルタイムで見た人は既に60歳以上になっているはずです。

まず「月光仮面」は昭和33年から35年に放送された探偵活劇ドラマで原作は歌手:森進一の代表曲である「おふくろさん」の作詞でも有名な川内康範氏。

月よりの使者である月光仮面の仮の姿が探偵であった事は余り知られていないが当時、探偵という職業に強いあこがれというかブームであった事は否めない。

「まぼろし探偵」は月間マンガ雑誌に連載されていたのがテレビドラマになったもので月光仮面同様、当時の男の子達のヒーローであり、現在の戦隊モノのヒーロー以上の人気があった。

なにしろ今みたいにゲームなどもなく、テレビを持っている家庭も少なかったのであるが大人も楽しめる娯楽番組としてヒットしていった。

縁日ではこの2人のヒーローのお面を買ってもらい、腰にはおもちゃのピストルを差し近所の腕白坊主達と駆け回っていた少年時代を過ごした6,70歳代の人は少なくないはずである。

同様に「七色仮面」「アラーの使者」も主人公は私立探偵でいずれも若き千葉真一が演じていた。

ちなみにテレビマンガで昭和30年代後半に人気を博していた「エイトマン」の主人公も仮の姿は探偵で当時のヒーローの殆どは探偵を職業としており、いずれも警察に協力し悪者を退治していた。

何しろこの30年代はドラマにしろ、アニメにしろ探偵が主人公で正義の代弁者として活躍していたのである。

昭和40年代

自分勝手で申し訳ないがやはりなんと言っても昭和49年に放送された「傷だらけの天使」であろう。

萩原健一と水谷豊のコンビで一世を風靡したと言っても過言ではなく、この私もこのドラマの影響はかなり受けてしまったと思っている。

ただこの40年代では探偵が主人公でヒットしたドラマは殆ど記憶にない。

せいぜい「37階の男」というドラマ。

小説家が探偵の真似事をして悪をやっつけるのであるが多少、主人公も「ワル」なのである。

正直、30年代では正義のヒーローであった探偵がこの頃より流行したハードボイルド小説の世界ではかっこよい悪党として描かれる様になった事も一因と思われる。

ちなみにテレビ業界では正義の探偵ドラマは衰退し和製スパイ的ものを主人公としたドラマが流行始めた年でもあり、「ザ・ガードマン」「キイハンター」「スパイキャッチャーJ3」などが人気を博していた。

正直、この頃よりハードボイルド探偵小説の影響により悪徳探偵というイメージが大きくなり、実際の探偵も悪質な探偵が増えていったようである。

昭和50年代

昭和54年には故:松田優作の代表作である「探偵物語」が大ヒットしてこの影響を受けた若者が探偵事務所に勤めてみたいと応募が増えたと言われている。

この探偵もちょっと悪党ではあるが粋で基本的には正義感の強い探偵として描かれているが探偵のイメージを損なったと言っても過言ではない。

昭和51年には映画として「犬神家の一族」がヒット、主人公の探偵:金田一耕助の役として石坂浩二が主演している。

ただ明治か大正時代の背景であり当時の探偵と比較されることもなく、やはり現代ドラマであった探偵物語の影響は大きかったと言える。

また海外の探偵ドラマもこの50年代にヒットした作品がある。

「チャーリーズ・エンジェル」である。

全くアメリカと日本の探偵は資格にしろ社会的地位にしろ比較にならないほど違っており、当時より日本の探偵はアウトロー的に捉えられていたのである。

正直、この頃の日本における実際の探偵は現代の探偵とあまり遜色はないのであるが実際に悪徳な探偵社も横行していたし違法行為をする業者も数多く存在していた。

家宅侵入や電話盗聴などは平然と行われていたと聞く。

昭和60年代

昭和60年代として昭和64年までの約4年と数ヶ月しかないのであるがバブル景気全盛期であった。

この当時の探偵ドラマは殆ど記憶にない。

マンガの中には「ハロー、ハリミズミ」や「名探偵コナン」などが話題を集め、平成に入り、映画化やドラマ化、テレビアニメ化され、現在にも引き継がれているのもある。

平成に入り特にここ最近では探偵が主人公のテレビドラマは多い。

しかし、昔ながらに警察に協力して悪党を退治するパターンもあるがどうしてもチョイワル的に違法行為を平然として事件を解決するといった探偵が多い。

まっ映画にしろテレビドラマにしろ、この世界で描かれる探偵の基本はハードボイルド探偵小説を基調としてスパイ映画やアクション映画等も取り入れ、

実際の探偵とはかけ離れて描かれている。

現代の探偵は公安委員会にきちんと届出をして違法行為はしない探偵であり、ドラマの探偵からイメージとはかなりかけ離れている。

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